ユーグレナ通信

ユーグレナの凄さを皆で分かち合うブログ。

微細藻類の培地作成

培地作成に着手!

 

ミドリムシの培養に挑戦しようとしているミドリカワです。

微細藻類に関する知識なんてほとんど無いまま「Feel so Scienceキットシリーズ#012 微細藻類培養キット」を購入したものの、必要な機材が足りないという問題にぶつかり、思いのほか高かったハードルにくじけそうになっておりました。

しかしどうにかこうにか必要機材の代用品になりそうなものamazon.co.jpで調達し、ついに培地の作成という最初の工程にたどり着く事に成功いたしました。ここまで随分長い道のりでしたが、ようやくスタートラインに立てたような気がします。

 

苦心して調達した機材

苦心して調達した機材

手順を守って慎重に進めていきます

今回作るのは「淡水寒天培地」と「淡水液体培地」の2つ。培地というのは微細藻類を住まわせる家みたいなものです。

では、さっそく培地の作成に取り掛かりましょう。取扱説明書に書かれている手順を守って慎重に進めてまいります。

 

 

【手順1】

海水培地を開封し、1Lビーカーに全量を加えます。

培地作成の手順

いきなりダウト

ちょ、 ちょっと待って!

用意するものの欄には淡水培地と書かれているのに、最初の手順が「海水培地を開封」? これは誤表記に違いありません。今回作るのは淡水培地なのだから淡水培地を入れるに決まっています。危ないところでした。

この取扱説明書の事が少しだけ信じられなくなってしまいましたが、気を取り直して先に進みましょう。

 

 

【手順2】

蒸留水1Lを加えて良く攪拌し、培地を懸濁します。

 

Amazon.co.jpに売っていた蒸留水はやけに高かったので、代わりに精製水を用意しました。どうせ大した違いなんてないだろうし、これで十分でしょう。

精製水

2リットルで300円ちょっと


この水と淡水培地の粉をペットボトルに入れて、ジャブジャブ振って混ぜ合わせます。攪拌して懸濁するっていうのは、きっとそういう事です。

攪拌&懸濁

ペットボトルに入れてよく混ぜます


 

【手順3】

液体培地を作成する場合は、必要量を別の試薬ビンに移します。

 

試薬ビンの代用品は先ほどの軽量カップ。ただ水を入れて保管しておくだけなので、入れ物なんか何でも良いはず。最初に取扱説明書を読んだ時は「ええっ、試薬ビンなんて持ってないよ!どうしよう!」とか「ええっ、クリーンベンチなんて持ってないよ!どうしよう!」と、いちいち不安になっていましたが、用途にさえ合っていれば道具なんて何だって良いのです。この培養キットと出会うことで、私はそういう柔軟さを身に着ける事ができた気がします。

 

【手順4】

作成する寒天培地の量に合わせて、アガーを計り取りビーカー中に加えます。アガーの濃度は15g/Lに調整してください。(寒天培地と液体培地を500mLずつ作成する場合は500mLに移し分けた培地に7.5gのアガーを加えて下さい)。

 

アガーというのは凝固剤の事で、寒天とかゼラチンみたいなものらしいです。お菓子作りが好きな方だったらご存知かもしれませんが、私は初めて知りました。

で、私は手順の後半部分に書かれているように寒天培地と液体培地を500mLずつ作ろうとしているので、ここでアガーを7.5g計り取る必要があるわけです。

培養キットに入っているアガーは1袋あたり15g入っているそうなので、半分入れればOK。とは言え目分量というのも不安なので、念のためキッチンスケールで計りながら進めていきます。とりあえず全量を出してみたところ

 

タニタのキッチンスケール

12g?

キッチンスケールいわく、 12gしかないそうです。

キットに入っていた量がいい加減だったのか、このタニタのキッチンスケールがいい加減なのか…なんだか急にお酒が飲みたくなってきましたが、こんな事ぐらいで諦める訳にはいきません。

 

適当に投入しました

適当に投入しました

 

【手順5】

ビーカーの口をアルミホイルで軽くふたをし、121℃、20分以上のオートクレーブ処理をした後、60℃程度まで冷まします。※ビーカーの口をビニルラップで軽くふたをし、電子レンジにて寒天の粒子がなくなるまで繰り返し沸騰させて溶解してもかまいません。ただし細菌類や真菌類の胞子は死滅しにくいため、コンタミネーションの可能性があります。淡水寒天培地、淡水液体培地の両方を滅菌処理してください。

 

だんだん難しくなってきましたね。ふつうのサラリーマンである私にはかなり高い要求のように感じます。

もうオートクレーブ処理とかコンタミネーションのくだりなどはさっぱり理解できませんが、「寒天が溶けるまで電子レンジで温めればOK」というプランBが用意されているようなので、もちろん私はそちらでいきます。

プランBを実行

プランBを実行

 

 

【手順6】

クリーンベンチ内でシャーレを開封し、淡水寒天培地をシャーレの1/2の高さまで加え、蓋を閉めて培地が固まるまで待ちます。※通常の実験台でも、実験台を70%エタノールでよく消毒し、ガスバーナーを焚いて落下菌を防ぐことでコンタミネーションを大幅に減らすことができます。

 

クリーンベンチというのは、要は無菌室みたいな設備のことみたいです。残念ながら我が家にクリーンベンチというものはないので、ここでもプランBを採用。コンタミネーションというのは何だか良くないものの様なので、できれば私も避けたいと思います。

実験台(お盆)をフマキラーのアルコール除菌スプレーで入念にふき、さらにガスバーナーの代わりに用意したカメヤマのローソクに着火。理解できない事を難しく考えても仕方がありません。きっと火があれば良いのです。

 

独自のコンタミネーション対策

独自のコンタミネーション対策

わあ、なんだかちょっといい雰囲気。幼い頃、両親に祝ってもらった誕生日の事を思い出します。あっ、いま妖精が見えたよ!本当だよお母さん!

こんな風にローソクの灯りの下で培地作りをしていると、日頃の嫌な事なんて吹き飛んでしまいそうですね。この培養計画はきっとうまくいく。今なら心からそう信じられます。

  

そんな訳でコンタミネーション対策もバッチリできたので、キットに入っていたシャーレを取り出し、中に寒天培地を注いで完了。あとは冷やしておくだけです。

 

培地が完成

厳かな雰囲気の中、ついに培地が完成


培地が用意できたので、次はいよいよ培養の工程に入ります。「Feel so Scienceキットシリーズ#012 微細藻類培養キット」、本当に買って良かったです。