ミドリムシ・テイスティングノート
ミドリムシを美味しく頂きましょう
こんにちは、ミドリムシを培養しようとしたらカビを育ててしまったミドリカワです。
ご存知ない方もいらっしゃるかも知れませんが、ミドリムシには独特のクセがあって、けっこう不味いものなんです。
その一方で、ものすごく栄養が豊富で、人間にとっての完全食と言われている食べ物でもあるのです。
私は、そんなミドリムシを美味しく頂く方法を模索しています。これは、おそらく世界で五指くらいに入るであろうミドリムシのテイスティング経験を持つ私が取り組むべき使命といっても過言ではないでしょう。
ミドリムシの味とは?
で、ミドリムシの味や匂いがどんなものかと言いますと
- 海藻みたいな磯臭さ
- 魚の干物みたいな生臭さと香ばしさ
- しょっぱいような甘いような苦いような複雑な味
- クセがすごい
- 大自然
- 不味い
といった感じです(私の個人的な意見です)。
そして、私はこれと共通する特徴を持ったものを発見しました。
それはスコッチウイスキーです。
臭くないウイスキーなんか飲みたくない
スコッチウイスキーとひと口に言っても、実は産地や蒸留所によって様々な特色があります。その中でも、スコットランドのアイラ地方で作られるウイスキー、アイラ・ウイスキーには、以下のような特徴があります。
- 磯のような香り
- 煙たい
- 薬っぽい
- 複雑で奥深い味わい
- クセがすごい
- 人によってはクセになる味
見てください。ミドリムシと共通の特徴がたくさんありますね。
スコッチウイスキーは川底などに溜まったピートという泥炭(草や藻の堆積物からできている)をいぶして麦芽を乾燥させるのですが、アイラ・ウイスキーの蒸留所はほとんどが海に面しており、そこで使用されるピートには海藻がたっぷり含まれているのだとか。
そのため、他の地方で作られるウイスキーに比べて個性的な味に仕上がっているのだそうです。
アイラ・ウイスキーにハマった人が「もう臭くないウイスキーなんか飲みたくない」と言う通り、アイラウイスキーはクセが強い方が好まれる傾向があります。
なるほど、この路線でいけば、ミドリムシ特有のクセを良い方向に活かせるかもしれません。
とりあえずウイスキーを飲んでみよう
今回用意したのは、スコットランドで最も一般的なウイスキーと言われるザ・フェイマス・グラウスというブレンデッド・ウイスキー。
当初はアイラ・ウイスキーを用意しようかと考えていたのですが、ちょっとクセが強くなりすぎてしまいそうなので、我が家の常備酒であるこいつをチョイスしました。
これを加水せず、ストレートで頂きます。
ノンエイジにしてはアルコールっぽさが薄く、ドライフルーツのような芳醇な香りと、ふんわり漂う樽の香りが楽しめます。
味の印象としてはやや辛口ですが、スペイサイドモルト特有のフルーティさが充分に感じられ、とても爽やか。
後味にはかすかに苦みがありますが、香ばしい麦の風味とともにスッキリと切れるので、どんどん飲みたくなってしまいます。
1000円ちょっとで買えるウイスキーとは思えない、とても満足度の高いクオリティだと思います。
ミドリムシを加えてみよう
では、ここにミドリムシを混ぜてみます。
カプセルタイプのミドリムシサプリ(今回は「バイオザイム」を使用)から中身の粉末を取り出し、ザ・フェイマス・グラウスの入ったグラスに投入。
見た目は校庭のグラウンドにできた水たまりみたいな色。
口に含むと、最初に感じられるのはウサギ小屋のアロマ。
そこから魚の干物、砂、草の風味が続き、さらに奥から昆布が追い掛けてきます。
味わいは塩味と苦みが複雑に絡み合い、ミネラル感も主張しています。
錆びた鉄棒や擦りむいた膝のような味が口一杯に広がり、フィニッシュは濃厚な薬っぽさが残りました。
全く価値のない挑戦ではなかった
とりあえず、私が期待していたアイラ・ウイスキーみたいな味とはちょっと違うキャラクターになってしまったようです。
そんなに一般受けする味にはならないだろうな、とは思っていましたが、まさかこんな過酷な飲み物になってしまうとは、ちょっと想定外でした。
しかし、私の知る限り、ここまでミドリムシを強く感じられる摂取方法は他にありません。そういう意味では、少なくとも何の価値も無い挑戦ではなかったと言えるのではないでしょうか。
少なくとも
- ミドリムシを全力で味わってみたい
- 擦りむいたヒザを舐めるのが好き
- とにかく臭い酒が飲みたい
という方にはオススメできる飲み方なので、心当たりのある人はぜひ試してみてください。